誰しも、「我が子は一番!可愛くて仕方ない!」と思うもの。
ですが、子どもに無断で公開SNSにアップするのはいかがなものか…。
ドイツでは、2017年にSNSの規制が施行されました。
それは、SNSによりヘイトスピーチに対して罰則をするという法案です。
具体的には、嫌がらせなど中傷する内容のコメントを24時間以内に削除しないと最大で60億円の罰金を課する、というもの。
これは、子供の画像と関係ない記事のような気がするが、そうでもない。
SNSの先にあるもの
2016年オーストリアにて、18歳の女性の両親が彼女の許可なくSNS上に幼い頃の画像約500枚を掲載したとして、起訴したのだ。両親としては、可愛い我が子。きっと、友人や知人に見て欲しくてアップしたかもしれない。それか、ステイタスかもしれない。本当の真意は解らない。
だが、ネット上に幼い頃の画像が残り続けるのだ。
ドイツ、フランスで始まった注意喚起
この案件からフランスやドイツでは、SNSの掲載の際、子供の顔(表情が確認できるもの、個人が特定されてしまう画像)を掲載することへの注意喚起が始まった。
実際、ドイツ在住中もKIKA(ドイツのNHKのような子供番組)内の子供ニュースでもこのニュースは放映され、リアルタイムで視聴していました。
子どもが通っていた保育園でも画像の配布に制限があったり、甥っ子姪っ子たちの入学式でも撮影の制限がありました。
どんな画像であろうとも、男女問わず。
「裸でなければいいでしょ?」「おむつはしているし」「水着、着ているし」…。
それでも、顔が掲載されていたら、顔を切り抜き児童ポルノなど悪用されることもある。
それは、女の子はもちろん。男の子も危ない!
フォロワー数が多くても、少なくても。
私はインテリアが好きでよく見ているインスタグラムのドイツ人ユーザーもこのニュースが出てからは、自身の子供(幼児)の顔の掲載をあからさまにしなくなりました。
子供が写る画像は後ろ向きのショットや手のみなど。
自身のSNSの公開アカウントなのに、子どもの画像を使うことももっての外。
今後、子どもがどのような成長をするか未知数で、そんな子ども顔写真をインターネットに晒し、万が一、コメントなどで名前まで公開されてしまったら…。
インターネット上に掲載された画像は、一生残り続ける
誰でも見られる公開SNSに子どもの顔を掲載したら、ほぼ100%でインターネット上に残り続けます。見ず知らずの誰かがコビーなどをして、パソコンのローカルに下ろして保管していたり…。
では、家族との画像やりとりは、どうすればいいの?
パスワードをつけたアカウントやプライベートのメールでのやりとりなど、制限のある中でのやりとり。それか、昔ながらの写真プリントをして手渡しなど。
不便はあるけれど…それでも守りきれないこともあることを理解する。
便利になる世の中。それには、弊害も伴う。
インターネットがあれば、いつでもどこでもやりとりが簡単に出来る。それは最大のメリットでもあり、それが出来ないとデメリットにもなる。
けれど、子どもの親である我々は『インターネット』をきちんと理解し、利用して行かなければ、子どもの未来を侵害しかねない。
20年前、まだインターネットが普及して間もない頃、こんなに海外の人と通信することが簡単だと思っただろうか。今後、10年後、20年後の世界がどのようになっているのでしょう。
誰でも見られる公開SNSに子どもの表情を確認できる画像をしようと思ったら…。
一度、手を止めて、考えてみて欲しいです。